ブログマンのブログ

歯牙なきSEをしています。ITの知識、本などについて呟いていきたいと思います。

「神・時間術」の感想

樺沢紫苑氏は精神科医として精神科学や脳科学に基づいた様々な本を書いています。今回その樺沢氏が著者の「神・時間術」を紹介したいと思います。

 

脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術

脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術

 

 

時間は有限

1日が24時間であることが決まっている以上、人には平等に有限の時間が与えられています。だからこそ有限の時間で何をするのかを突き詰めることは非常に重要です。自分自身が本当にしたいことに時間を充てれば充てるほど、その人の人生はより豊かになって行くはずです。しかし、現状では毎日の仕事に振り回され、自分の時間を中々作ることができない人が多くいます。本書では、そのような人たちに自由時間を作ることができる方法を提供してします。それは「集中力」をベースにした行動です。

 

仕事量=集中力×時間

集中して取り組むか、ダラダラして取り組むかで一つのタスクに掛かる所要時間が変わってきます。一見残業をすれば仕事量を増やせそうですが、その分集中力が低下し非常に効率が悪いことを本書では指摘しています。逆に集中力をうまくコントロールすることができれば、短い時間で多くの仕事量を捻出することができます。それは残業時間が減り、自由時間が相対的に増えることを意味します。

 

集中力UPがもたらす好循環

増えた自由時間を自分にスキルアップに充てれば更に短い時間で多くの仕事量を捻出できます。厳密に言えば 仕事量=(個人のスキルレベル)×集中力×時間  です。集中力UP→自由時間UP→自分のスキルがUP→単位時間あたりの仕事量UP→更に自由時間UP という好循環が生まれます。そういった意味でどうすれば集中力がUPするかについて理解することは非常に重要であることが分かります。

 

集中力(朝編)

朝は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれ朝の30分の作業は夜の2時間ぐらいに匹敵すると本書では述べられています。そのため、

①朝の時間をどう確保するか

②確保時間をどう使うか

を知ることが重要です。①は朝シャワーを浴びること、カーテンを開けたままにし日光を浴びることで、起きてすぐにゴールデンタイムに入ることができます。そうすることで夜モード(副交感神経)から朝モード(交感神経)にしっかり切り替えることができるからです。②では自分の仕事の中で最も集中力が必要とされる作業を行います。それにより、高パフォーマンス時に難しい仕事をこなし切ることができます。

 

集中力(昼編)

昼になると、朝の「脳のゴールデンタイム」が終了し、集中力が少しづつ切れていきます。そのため本書では昼に一度リセットし、集中力を回復する方法を紹介しています。

①外食ランチによるセロトニン効果

②仮眠によるリセット効果

の二つがあります。①では外食ランチによりオフィスから外に出ることで日光を浴び、平常心、リラックスをもたらすセロトニンが活性化します。 ②では20-30分の仮眠を取ることでリセット効果があります。仮眠の仕方は机に顔を伏せる方法でも良いとのことです。リセット効果だけでなく、アルツハイマー病、糖尿病、心臓病リスクが低減される効果もあります。しかし、1時間を超える仮眠は逆効果なので注意が必要です。

 

 集中力(夜編)

夜ではもう一度集中力を高める方法と次の日のためのコンディション作りの方法が紹介されています。以下の2点です。

①軽度な運動によるゴールデンタイムの創出

②寝る前2時間の過ごし方

①では有酸素運動を伴う軽い運動(ジョギング、ウォーキングなど)を30分-1時間弱行うことで集中力がUPします。また、軽い運動は記憶力UPや深い睡眠、モチベーションの向上など多くの副次的な効果ももたらしてくれます。②で次の日のパフォーマスのために疲れを残さないことが大切です。そのために深い睡眠を確保することが不可欠です。本書では集中力(朝編)でも述べた朝モード(交感神経)から夜モード(副交感神経)にしっかり切り替える過ごし方を紹介しています。具体的には寝る2時間前には交感神経が優位となる行動(食事、飲酒、熱い風呂、TVゲーム)は避け、副交感神経が優位となる行動(読書、ペットや家族とゆっくり過ごす、軽い運動をする)を取ることを薦めています。それにより、睡眠へとスムーズに入ることができ、疲労の除去や細胞・臓器の修復が行われます。

 

自由時間の過ごし方

本書では最後に集中力をうまくコントロールし、自由時間を確保できた時の話を述べています。確保できた最初はより仕事を効率よく回すために自分のスキルアップに時間を充てていることを薦めています。より自由時間が確保できた時にどう過ごすかについて自分自身の「娯楽」について述べられています。娯楽は大きく以下の

①受動的娯楽

②能動的娯楽

に分かれます。①の受動的娯楽はテレビやゲームなど集中力もスキルも不要な娯楽をさしています。②の能動的娯楽はスポーツ、読書、ボードゲーム、楽器演奏などの集中力や目標設定、スキルの向上が必要な娯楽を指しています。能動的娯楽の方が脳のトレーニングにもなり、認知症の予防になることがわかっています。目標設定をし、そのためスキルの向上を心がければ意識的なインプット→アウトプットが行われ、それが自己成長に繋がっていきます。

 

個人的な感想

本書は日々の仕事に追われ、自分の時間を持てない人たちにそこから抜け出す方法を教えてくれます。本ブログでも集中力UP→自由時間UP→自分のスキルがUP→単位時間あたりの仕事量UP→更に自由時間UPというサイクルを記載しましたが、一番大切なのが一番最初の集中力UPだと思います。日々残業しなくてはいけない人は良い睡眠を取れず、次の日集中力に影響が出てしますからです。そのため、勇気を持って1日を定時で帰る、たまたま早く帰れた日から本書の方法を実践するなどきっかけを大切にすべきです。(自分にも言えることです。)また、自由時間UP=人生が豊かになる、ではありません。増えた自由時間で自分は何がしたいのかをしっかり考え、過ごすことが人生を豊かにするのだと思います。ほとんどの人は自分が所属する会社のために生きている訳ではないはずです。自分なりの人生の目的があり、それに沿って生きたいはずです。本書は自由時間UPまでの方法を教えてくれます。そこからは自分次第です。自分も仕事に追われる生活から自分で自分の人生を過ごせるよう本書の方法を実践していきたいと思います。